設計・施工内容
今回の工事では、これまでパーテーションで区切られていた5床の病室を見直し、3つの独立した病室へと改修しました。患者様がより落ち着いて過ごせる環境を整えるとともに、車いすや点滴台での移動、スタッフの動きやすさにも配慮して計画しています。
施工前

施工前は、複数のベッドをカーテンや簡易間仕切りで区切った病室で、患者様ごとのプライバシーを十分に確保しにくい状態でした。蛍光灯を中心とした照明や既存の内装も長く使用されており、設備や仕上げを見直しながら、より快適に過ごせる病室へ改修する必要がありました。
そこで、既存設備のうち再利用できるものは残しつつ、間取りを見直して3つの独立した病室を新設する計画としました。
改修前に整理したご要望・課題
- 5床を3つの独立した病室にしたい
- 車いすや点滴台でも移動しやすいよう、廊下幅1.2mを確保したい
- 病室ごとのプライバシーや遮音性を高めたい
- ナースコールやコンセントなど、個室化に合わせて設備を見直したい
- 使える既存設備は再利用し、工事費用をできるだけ抑えたい
病室完成イメージパース
改修前の打ち合わせでは、3つの個室にした際の広さやベッド・設備の配置、内装の雰囲気などを確認していただけるよう、完成イメージのパースを作成しました。個室化した後の空間を事前に可視化することで、動線や設備の位置、内装の仕上がりを具体的にイメージすることができます。
メディカル工務店では、完成後のイメージを共有しやすいよう、工事前にパースを作成しています。ほかのクリニックで作成したパースは「パースギャラリー」でもご紹介していますのでご参考ください。
パースギャラリーを見る
施工中
新たに壁を設けるにあたり、病室間の音にも配慮して、壁には遮音シートと吸音ウール、床には遮音マットを施工しました。個室化するだけでなく、隣室への音の伝わりを抑え、患者様が落ち着いて過ごせる環境を目指しました。
完成後
廊下


ドア
廊下は幅約1.2mを確保し、車いすや点滴台でも移動しやすい動線にしています。各病室のドアはすべて引戸とし、ゆっくり閉まるソフトクローザー付きの仕様としました。また、入口の段差にはスロープを設け、出入りしやすいよう配慮しています。
病室


病室は、個室化に合わせてコンセントを新設し、ナースコールを増設しました。換気扇やエアコンについても、各病室で快適に過ごせるよう移設・新設を行っています。
また、照明は既存の蛍光灯からLEDダウンライトへ変更し、各病室の入口にスイッチ、患者様の枕元には調光ダイヤルを設置しました。時間帯や患者様の状態に合わせて、室内の明るさを調整できる仕様としています。
グレーだった既存の窓枠は白く塗装し、病室全体を明るく清潔感のある印象に変え、床材は、汚れや傷に強く、日々のメンテナンスにも配慮した素材を採用しました。
また、すべての設備・備品を新しく交換するのではなく、患者様の枕元灯など、まだ使用できる既存設備は再利用しています。使えるものを活かしながら必要な部分を更新することで、機能性や快適性を高めつつ、工事費用をできるだけ抑えています。
今回の設計・施工で工夫したポイント
- 廊下幅約1.2mを確保
- 引戸+ソフトクローザー
- 入口にスロープ設置
- 遮音シート・吸音ウール・遮音マットを使用
- LEDダウンライト+調光対応
- 枕元灯など既存設備を再利用
- 汚れや傷に強い床材を採用




担当者コメント
今回の改修では、単に病室を個室化するだけでなく、患者様のプライバシーや静かな療養環境、車いす・点滴台での移動、医療スタッフの使いやすさまで考えながら計画しました。遮音対策や照明の調光、設備の増設など、実際の病室利用を想定した細かな工夫を取り入れています。
また、医療施設の改修では、すべてを新品に交換することが必ずしも最適とは限りません。今回のように、状態の良い設備は再利用し、必要な部分だけを更新することで、工事費用を抑えながら使いやすい環境へ整えることも可能です。メディカル工務店では、既存設備の状態も確認しながら、残すもの・交換するものを見極めた改修プランをご提案しています。